しかし、うわっと思うのは、そんな針の先みたいな集団アイドルがうごめいてる中で、まゆゆはすぐわかるのだ。 まゆゆにもそういうのを当ててたのか? いやちがうだろう。 宝塚歌劇ではトップスターにだけ当てる特別な「トップ・ピン スポットライト 」というものがあると聞く。
3そのコンサートにおける序列トップはまゆゆじゃなかったし 前田敦子は卒業してたが大島優子はまだいた時代。
頭蓋骨の中に白熱電球でも入ってるんじゃないかというような明るさ。
物理的に光っている。
まゆゆだけが「ほわっ」と明るく白く光っていて、まわりのアイドルたちは背景のように薄暗く見えたのである。
巨大な会場のてっぺんみたいな席だからモニターに映るのすら小さくしか見えない、生身のまゆゆなど針の先みたいなものだ。
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当たるとパーっと光って見えて「この人は違う……!」と、何も知らない人にも思わせるようなライト。 とにかく、あの大量のアイドル集団の中で、顔の見分けもつかないような遠くからでも、 「まゆゆはちょっとちがう」 ということは、見ただけでわかった。 ただし「ちょっとちがう」から頂点にのぼりつめるかというとそうはいかないのが、AKBであり、芸能界というものなのだった。
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