直後に尊敬語があるので文脈判断により尊敬の意味でとらえる、動作の主体である道長を敬っている。 し =過去の助動詞「き」の連体形、接続は連用形 に =格助詞 帥殿 そちどの の、南の院にて人々集めて弓あそばししに、 帥殿(=伊周)が、南の院で人々を集めて弓の競射をなさった時に、 こ =代名詞 の =格助詞 殿 =名詞 わたら =ラ行四段動詞「渡る」の未然形、行く、来る、(尊敬語にもなって)いらっしゃる、おいでになる。 ける=過去の助動詞「けり」の連体形、接続は連用形 ず=打消の助動詞「ず」の連用形、接続は未然形 思しなり=サ行四段動詞「思し成る(おぼしなる)」の連用形、尊敬語。
13」 何=副助詞、疑問・反語を意味する、どうして~ か=反語・疑問の係助詞、結び(文末)は連体形は連体形となる。
動作の主体である道長を敬っている。
「おはす」より敬意が高い言い方。
動作の主体である入道殿(道長)を敬っている。 「道長の家から(将来の)帝や后がお立ちになるはずのものならば、この矢当たれ。 直後に尊敬語が来ているので文脈判断して尊敬の意味でとる、動作の主体(延長する人)である伊周か道長を敬っている。
14また、「奉り」の敬語の種類と誰から誰に対しての敬意の表現であるかを答えよ。
もし分かりにくい部分や質問があれば、補足でその旨お知らせ下さい。
父 大臣 おとど 、帥殿に、「 何 か射る。
」 と仰せらるるに、初めの同じやうに、的の破るばかり、同じところに射させたまひつ。 饗応し、もてはやし41[きこえさせ]42[たまひ]つる興もさめて、こと苦うなりぬ。 「言ふ」の尊敬語、おっしゃる。
13現代語訳 帥殿 =伊周公 が、南の院で人々を集めて弓の競射をなさいました折に、 この殿 =道長公 が、おいでになったので、 意外なことで変なことだと、中ノ関白殿 =道隆公 は驚きなさって、 たいそう丁重におもてなし申しあげなさって、 道長公は、当時伊周公よりも 下級の官位でいらっしゃったけれども、 競射の順番を 先にし申し上げなさったところ、 勝負の結果は 帥殿=伊周公の当たった数が、 道長公の当たった数よりももう2本負けなさっていた。
二重敬語。
」 と仰せらるるに、初めの同じやうに、的の破るばかり、同じところに射させたまひつ。
」 より=格助詞、(起点)~から、(手段・用法)~で、(経過点)~を通って、(即時:直前に連体形がきて)~するやいなや 給ふ=補助動詞ハ行四段「給ふ(たまふ)」の終止形、尊敬語。 ここはおそらく「詠嘆」の意味。
12上記と同様に伊周を敬っている。
もの =名詞 なら =断定の助動詞「なり」の未然形、接続は体言・連体形。
動作の主体(心安からず思っている人)である道長を敬っている。
」 と 仰せ らるるに、初めの同じやうに、的 の破るばかり、同じところに射 させ 給ひ つ。 に =接続助詞 関白殿 =名詞 色 =名詞 青く =ク活用の形容詞「青し」の連用形 なり =ラ行四段動詞「成る」の連用形 ぬ =完了の助動詞「ぬ」の終止形、接続は連用形。
19次 =名詞 に =格助詞 帥殿 (そちどの)=名詞 射 =ヤ行上一段動詞「射る」の連用形 給ふ =補助動詞ハ行四段「給ふ(たまふ)」の連体形、尊敬語。
て =接続助詞 まづ =副詞 射 =ヤ行上一段動詞「射る」の未然形 させ =使役の助動詞「さす」の連用形、接続は未然形。
射るな、射るな。
」と 仰せ られて、 させ=尊敬の助動詞「さす」の連用形、接続は未然形。 らるる =尊敬の助動詞「らる」の連体形、動作の主体である道長を敬っている。
13動作の主体である道長を敬っている。
直前の「仰せ」も同様。
臆し =サ変動詞「臆す(おくす)」の連用形 給ひ =補助動詞ハ行四段「給ふ(たまふ)」の連用形、尊敬語。
無辺世界=名詞、(仏教語)無限の世界、あてのない所、でたらめの方向 給へ=補助動詞ハ行四段「給ふ(たまふ)」の已然形、尊敬語。
動作の主体である道隆を敬っている。
べき=当然の助動詞「べし」の連体形、接続は終止形(ラ変なら連体形)。
な射そ、 な射そ。
て =接続助詞 「いま二度延べさせ給へ。
らるる=尊敬の助動詞「らる」の連体形、動作の主体である道長を敬っている。
動作の主体である帥殿を敬っている。